たまには世間の話題についてでも。
大相撲春場所の中止はなるべくしてなった。中止の判断は正しいと思う。
八百長は倫理的にも(金銭の授受があった場合)法律的にもアウトなのは明白なのだが、個人的に望むのは、ただ単に調査と称した犯人探しと、永久追放や謹慎といった処分だけして終わりにするのではなく、何故こんなことが起きてしまったのか?という根本的な原因を究明しなければ、その場は収まったとしても、同じことを繰り返してしまうだろう。
一連の報道で得た情報でしかないが、どうやら十両下位の力士が、本場所で負け越して幕下に陥落するのを防ぐために星の売り買いをしていたようである。
相撲をちょっと知っている人であれば持っている知識だが、幕下以下の力士は場所手当を除いて無給、すなわち\0で、十両になっていきなり \1,036,000/月という、平均的な会社員の給与を軽く上回る基本給が発生する。どう考えても、\0と\1,036,000の差はあまりに大きく、良い捉え方をすれば、幕下以下の力士はまともな給与が出る関取を目指して、前頭・十両は幕下に陥落しないよう必死になって相撲道に精進するが、悪い捉え方をすれば幕下以下は『ワーキングプア』であるとも言える(本物の『ワーキングプア』と違うのは、最低限の衣食住には困らないことだが、現金収入があまりに少ないことは共通している)し、収入のことを考えると、十両下位はどんなヤバい手を使ってでも十両の座を…と考えるのはある意味自然だ。逆に、金欠の序二段や三段目の力士が、小遣い稼ぎに仲介役を買って出るということも考えられる。
つい最近、似たようなことが起きていたスポーツ団体がもう一つある。
台湾プロ野球だ。
台湾プロ野球も、たびたび八百長が発生し、いくつもの球団が消え、かつて日本でも活躍した人を含む多くの選手・コーチ・監督が処分されているのにもかかわらず、同じ過ちを繰り返している原因の一つとして、『年俸の低さ』があり、年俸の低さ故に、『第三者』から札束をちらつかれると、それに乗ってしまうからであるといわれている。逆に日本のプロ野球やMLBで八百長が起きないのは、選手の能力と、置かれている立場(若い時しか活躍できない上に、雇用形態は正社員ではなく、契約社員である)のリスクに見合った年俸を支払うことによって、相対的に八百長をするリスクの割に得られる金額が少なくなることにより、割に合わなくして八百長を抑止しているからである。あの、MLBや欧州フットボールにおける天文学的な金額の年俸の理由の一つが、これなのである。
現在では球団が4つに減り、再発防止策として最低年俸制を導入しているが、これが八百長防止になっているかどうかは数年推移を見守らなければなるまい。しかし、待遇と環境を改善することが、八百長を遠ざけることに変わりはあるまい。
個人的な意見ではあるが、幕下以下の力士に対する待遇改善が手っ取り早いのでは?と思っている。相撲好きや、伝統的価値観に重きを置いている人から、力士が「サラリーマン化」してしまうのではないかという危惧を持たれるかも知れないが、そんなことよりもコンプライアンスの順守のほうがよっぽど重要だ。サラリーマン化を危惧するのであれば、幕内未経験の幕下以下の力士に年齢制限を設けたり、プロ野球やJリーグのように『戦力外通告』の制度を設けても良いだろう。
もう一つ。議員報酬を800万円に下げる件について。
素朴な疑問として、無駄な税金の出費を抑えるという観点であれば、何故定数削減ではなく、報酬の引き下げなのだろうか?定数を半分にし、議員報酬を1.5倍にして、クオリティの高い仕事をしてもらった方が良いと思うのだが。
それから、誤解してはいけないのは、議員報酬は100%そっくりそのまま議員の懐に入るものではないということ。この中から、事務所の家賃やスタッフへの給与、有権者へのあいさつ回りやヒアリングにかかるコストも出さなければならないので、単純に一般家庭の世帯収入と比較すると、おかしな話になって来る。また、会社員ではないので、選挙に落ちれば議員としての資格や報酬を失う、議員としての資格が無くなった後、あっさり以前の仕事に戻れるほど世の中は甘くない。それらのリスクヘッジという意味でも、議員報酬は下げるべきではないと個人的には思っています。
これはあまり考えたくないことですが、懸念すべきは、議員報酬800万円でもやっていける、資産を溜めこんでいる人しか選挙に出馬できなくなることや、活動資金でカツカツになった議員が『悪魔のささやき』に乗っかってしまうことかと。
あと、2兆円の借金を抱えておきながら、「住民税10%恒久減税」は本当にやれんのか?ポピュリズムのにおいがプンプンするけど。
まぁ、所詮は余所者なので、傍観するだけなのだが。