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尋常性白斑報告VIII

朝。週末の恒例行事と化しつつある皮膚科へ向かう。

それにしても平日の様子は良く分からないが、土日に限って言えば親子連れがやたらに多い。
白斑だけではなく、様々な皮膚のトラブルを抱えた子どもたちが、両親や祖父母と思われる人に連れられてやって来ている。平方さんは白斑以外の治療がどのように行われているかは良く知らないが、大人だったら治療に必要不可欠な、長時間同じ姿勢のままじっとしていたり、十分耐えることが出来る治療でも、子ども、特に乳幼児にとってはかなり厳しいものがあるのかも知れない。
何故なら基本的に乳幼児は『自由な芸風が売り物』の『師匠』であり、『芸事』には真摯なため、彼等はカメラが回っていなくても『芸の道』を究めるべく、走り回ったり、大声をあげたり、むずがったりし、『大御所』故に結構それが社会的に許されているからであり、平方さんとしてもそれはそれで良いとは思っているが(逆に「この件に関しましては、前向きに検討させていただきます。」などと言う子どもがいたら逆に気持ち悪い)、『師匠』のご機嫌を損ねないように前座の噺家よろしくあの手この手をつかい、診療している様子が壁づたいに聞こえてくると、ほとほと大変そうだなぁと思ってしまう。

平方さんの番になり、診療室に入るといきなりドクターからナローバンドUVBおよびメルで照射される特定周波数の紫外線は、目をつむっている限りは影響を受ける事も無いし、目をつぶっていても、それらの紫外線は瞼を透過する事は無いという説明を受ける。
特に面と向かって説明を求めた覚えは無いので、大丈夫ですよ。全くもって信頼して治療を受けているのでと言う旨を伝えると、安心した表情を浮かべ、それじゃあメルの照射時間をもう5秒増やしましょうと言いながら、万年筆でカルテに記し始めた。
もっとも、信用するも何も、信用しているからこそ通っている訳だし。

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