枯渇感
18時45分、平方さんは大急ぎでオフィスを出ると、萩の月を渡すべく地下鉄に飛び乗りトロちゃんに会いに行く。
改札口でトロちゃんと落ち合い、近くのカフェで軽い食事でもしながらお茶をしようと思ったら、カフェには『臨時休業』の看板。結局スターバックスでトロちゃんは酸味の利いたカフェインフリーのハーブティを12ozのタンブラーに入れて貰い、平方さんはクリームの上にココアパウダーをたっぷりかけたヴェンティのホットチョコレートを頼み、互いに近況報告をし合う。尤も平方さんが話したのは、『
考えてみれば日展も、絵画部門においては作品そのものよりも作品自体の大きさに感心してしまう。他人事ながら作成中、家で大きな体積を占めるキャンバスを家族はどう思う?と思ってしまうし、彫刻部門もどういう訳か裸婦像ばかりで『ぞうさん』や『きりんさん』の像が無いのも不思議な話だ。以前その話をトロちゃんではなく他の人に話したら少し怪訝な顔をされた事があるけどな。
帰りの電車の中。平方さんはいまだにPSPで『カズオ
』をプレイしている。何故なら正直言って、あまりプレイしたいゲームが無いからである。ぶっちゃけ主にPSPではパソコンと繋いでマスストレージとして使ったり、MP3プレーヤーとして使うという、ソニー・コンピュータ・エンターテインメントが想定している、『ハードの価格を抑え、ソフトで稼ぐ』というビジネスモデルとは全く違うベクトルでの使い方しかしないので、彼等にしてみれば『招かざる客』である事に違いない。
その一方で『PlayStation3 20GB60GB
』が出たとか、来月には『Nintendo Wii
』が出るみたいな話題が出ているが、現在のところ購買意欲は皆無に等しい。何故なら嘗て『どこでもいっしょ
』がやりたい為に、あちこちの量販店で『ポケットステーション
』を探し回って以来ハードウェアの購入に際し、かなり辟易してしまっているからだ。サプライチェーンマネジメントが発達した21世紀において、『生産が間に合わない』という言い訳は『生産調整』と聞こえ、邪推を抱かずにはいられないし、ゲーム機や某OSのカウントダウン販売には一種の悪意を覚えてならない。う~ん…。