風聞
平方さんは人を傷付けてばかりだ。その度に『独り反省会』を延々と行なうことになる。
相手の真意を知る術に欠けているが故に、自分の意図せざるところで思わぬ結果を招く事になり、皆が傷付く事が多々あるのだ。(早い話が、デリカシーというものが無い。)
しかも厄介なことに、自分の気持ちに正直になればなるほどその傾向は強くなる。だが、それを恐れ、動かずにいると、結局何も得られるものが無いままいたずらに時は流れ、独り身動きが取れなくなってしまう。『いつもニコニコ。毒っ気の無い平方さん』も良いが、それで得られたものはあまりに少ないのが哀しい。
魅力的な長所と短所(短所も時として魅力になるのだ。また、魅力に出来る人が羨ましい。)。良いに付け悪いに付け、人は淡白なものより灰汁の強いものに惹かれ、そして傷付く。淡白さを否定する訳ではないが、その一方で人の心に残らないのも事実。
そのバランスが難しい。
『自分が誰かを傷付けた。』という事実に気付いた場合はまだいい。厄介なのは、誰かを傷付けた人間が、傷付けた事に気が付かないままのうのうと生きている事だ。平方さんはそんな人間を何人も見てきたと同時に、そんな彼等に傷付けられた事もあった。逆にもしかしたら平方さん自身も誰かを傷付けた一人になっているかも知れない。だから、もし傷付いたら、傷口が広まる前に声高に叫んで欲しい。そうすれば、こんな平方さんでも傷口に塩ではなく消毒液を擦り付ける事が出来るからだ。重傷を負ってから、重症の事実を風の便りに聞くのはあまりに辛すぎる。
以心伝心も良いが、互いの考えを擦り合わせて合意形成を得るだけでも、だいぶ世界は変わっていく。と思った。
ほんの少しだけ 君より
強くなりたいんだ 君より
優しい君に付けこんでくる
奴らもたまにはいるからね
槇原敬之『ほんの少しだけ』より