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時刻表トリック

 朝。東海道線で新聞や本を読みながら、PSPPodcastingを聴きつつゴトゴト揺られ、打ち合わせで茅ヶ崎へ。その後昼食を摂り、海や烏帽子岩を見る事無く午後に都内へ。

 その帰りの電車の中で、M氏と『年齢を重ねると、電車でバランスを保つのが難しくなる』といった類の話をしていた時、「あのぉ、平方さんって『鉄道マニア』でしょ?」と訊かれる。
 「いやいや、あのレベルで『鉄道マニア』って言われてしまったら、『本物の鉄道マニア』に怒られてしまいますよ。」
 「いや、『××から○○に行くにはどうしたらいいか?』という質問にも即答しますし、何処の路線にどんな種類の電車が走っているかも知っているじゃないですか。」
 「いや、私なんか初級レベルですよ。上級者や『神』と呼ばれるようなレベルなら、目隠ししてモーター音だけで電車の型式が分かったり、別に鉄道会社の人でもないのに時刻表の巻末にある運賃計算の方法なんて沢山ある例外や、割愛されている部分を含めて全部頭に入っているんですよ。」

「それじゃあ、平方さんはどの辺のランクなんですか?」
「う~ん、そうですねぇ…初中級ってところですかねぇ。」
「それじゃ、初級と初中級の違いって何ですかねぇ。」
「例えば、東京から大阪に行く事が出来る最終の電車は何時か?という問いに、『21時過ぎの最終ののぞみ』は初級と言うか、普通の人。『23時発急行銀河』や『23時43分発快速に乗って大垣と米原で乗り継ぎ』と答えるのは初中級以上ですよ。それに、新幹線で移動するように言われると怪訝な顔をするのは中級以上ですね。」
「いや、新幹線の時刻なんて分からないですよ。」
「ほら、大阪にいるKiさんなんかはしょっちゅう東京に来るから普通に分かると思いますよ。」
「ああ、そうか。」
「私も元々詳しかった訳ではなく、仕事でいろいろやっていくうちに覚えていったんですよ。おかげで時刻表もヨーロッパの時刻表とかも普通に読めますし。向こうの人って、日本みたいに切符買うときは時刻表で調べるんじゃなくて、『△△に何時までに行くにはどの列車に乗ればいいか』を窓口の人に訊いて購入する人が多いんで、時刻表を買って列車を『指名買い』する人は非常に稀なんですよ。だから、普通の本屋にすら時刻表なんて置いてないんですよ。」
「そんなに詳しいんだったら、時刻表トリックものの推理小説とか書けるんじゃないですか?」
「へっ!?いや、時刻表トリックものってけっこう出尽くした感があるんですよねぇ。」

10津川(イメージ/渡瀬恒彦):「彼女が殺された日の中央本線は工事の関係で、『あずさ』がみどり湖経由ではなく辰野経由で運行されているんです。これでアリバイを崩せますっ!!」
キャメ井(イメージ/伊東四郎):「な、何ィ!!」
※元ネタは、ご察し下さい。(^^ゞ

 「みたいな感じで。あと、湯布院か別府あたりで殺人事件を起こし、『あの時私は東京の舎人にいました。』みたいな一見不可能なアリバイを作って、最後に崖で犯人に全てを白状させればとりあえずやっつけた感はありますけど形にはなりますよね。」
 「ああ、なるほど。」
 「だから別のパターンを考えなきゃ難しいと思うんですよねぇ。他の要素、例えば、『倒叙』と呼ばれる予め犯人の殺害シーンを描写した後に『古畑任三郎』や『刑事コロンボ』がやって来て犯人を追い詰めるパターンや、夏休みに『金田一はじめ』とその同級生が絶海の孤島に遊びに行くが、台風で船が来なくなり、その間に次々に殺人事件が起きるパターンや、『濱マイク』みたいなハードボイルドものとかが色々ありますんで、それとは違うタイプのものとか。たぶん私が書いたらめちゃめちゃなストーリーになってしまうんで多分無理ですよ。ええ。」

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